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ChatGPTとは?どんなことができる


【プロフィール】川内誠仁
高校生時代にPCやプログラミングに興味を持ち、その興味を仕事に変えるため、情報系の専門学校に進学。プログラミングやネットワーク関連の基礎知識を学び、C言語やMOS、基本情報技術者の資格を取得。
2020年にスマートスケープ株式会社に新卒入社し、経験豊富な先輩方とともに日々データ分析業務に励んでいる。



ChatGPTとは

 アメリカのOpenAIがリリースした、テキスト形式で人間のように対話できるAIシステムです。2022年11月にリリースされ、2023年2月7日時点で全世界ユーザーが1億人を突破するほど注目されています。iPhoneやInstagramがユーザー数100万人を達成するのに約75日、YouTubeは250日以上かかったのに対し、ChatGPTはたった5日で達成するほど全世界から注目を集めています。

ChatGPTの仕組み

 Web上にあるたくさんのテキストデータの文章の構造や内容を分析することで、会話を成立させます。例えば「愛知県の県庁所在地はどこですか?」と質問したとします。ChatGPTは「愛知県の県庁所在地は~です。」と回答するのですが、「~」に該当する言葉は大量に学習したテキストの中から最適な言葉を選択します。この場合は「名古屋市」になるので「愛知県の県庁所在地は名古屋市です。」となります。


ChatGPTでできること

 ChatGPTは以下のようなことができます。

  1. リアルな会話
    ・ユーザーの質問の意図をくみ取って人間らしい返答をしてくれる

  2. コーディング
    ・Pythonなどのプログラミング言語でソースコードを書いてくれる

  3. 短編小説の作成
    ・指定した主人公や設定で架空の小説を作成してくれる

  4. レビュー
    ・文章やソースコードのレビューをしてくれる
                                  など

ChatGPTの無料版・有料版との比較

 ChatGPTにはChatGPT(無料版)とChatGPT Plus(有料版、月額20ドル)の2種類があります。有料版は無料版と違い、以下のような特典があります。

・ピーク時でもChatGPTへの一般的なアクセス
・応答時間の短縮
・新機能への優先的なアクセス
・ベースはGPT-4(無料版はGPT-3.5)

 業務で1日に何度も使用するのであれば有料版のほうが良さそうです。

<参考>
・GPT-3.5
AIを搭載した大規模言語モデルGPT-3ファミリーの新モデルで前モデルよりも複雑な命令を処理し、より高い品質で長い形式のコンテンツを生成することができる。情報範囲は2021年時点のデータ。
・GPT-4
GPTシリーズの最新作で過去シリーズの上位互換。画像入力による文章作成や画像、音楽、動画の生成も可能。(ChatGPTではテキストのみ対応) 詳細な技術情報は公開されず、情報範囲も2021年時点のデータと言われている。


ChatGPTの使い方

・必要なもの

(下記1,2のどちらか)

  1. GoogleかMicrosoftのアカウント

  2. メールアドレスと電話番号

・手順

1.以下のWebサイトにアクセスし、「TRY ChatGPT」をクリックします。

2.「Sign UP」をクリックしアカウント登録をします。

・使用画面

実際の使用画面をお見せします。入力した数字の二乗を返すC言語のソースコードを質問してみます。以下のようにソースコードの回答だけでなく、説明もしてくれます。

次に日本昔話の「桃太郎」の鬼目線の話を質問してみます。
以下のようにオリジナルの話を書いてくれます。

最後に愛知県豊田市の人気のごはん屋さんベスト3を聞いてみました。
以下のようにお店の名前、住所、お店の詳細を教えてくれました。しかし、
ここで紹介されているお店は1つも実在しません。ChatGPTは間違った情報を回答することもありますので注意が必要です。

このようにChatGPTに質問すればなんでも回答してくれる反面、間違った情報の場合もあります。自分で情報の真偽を確認する必要があります。


業務で生かせるか

 私は現在、データ分析の業務を担当しています。ユーザーの要望に合わせて、AWS環境にある大量のデータをPySparkやAthenaを使って加工し、出力したCSVをもとにグラフを作成する業務を行っています。実際に業務中のどのような場面で生かせるか考えてみました。

パターン① わからないことを聞く
パターン② 人間が作った文章やソースコードのレビュー、チェック
パターン③ ChatGPTに仕様を伝えてソースコードを作成してもらう

パターン① わからないことを聞く

 今のところPySparkを使っていて、Athenaを使ったことがないのでChatGPTにいろいろと聞いてみました。

質問:AthenaとPySparkの違いは?
回答:実行環境、クエリの実行方法、データソース、パフォーマンス、コストが違うよ

パフォーマンスの違いに関して深堀してみます。

質問:パフォーマンスの違いに関してもっと詳しく教えて
回答:クエリの実行方法、データの格納方法、クエリの最適化、データの処理方法の観点で説明してくれる

 この結果からメリット、デメリットをまとめました。

メリット
・少しでも気になったことをなんでも容易に聞くことができる
・細かい条件を記載して具体的な回答を聞くことができる

デメリット
・誤った内容の可能性があるため、回答をもとにいろいろなサイトを確認する必要がある

パターン② 人間が作った文章やソースコードのレビュー、チェック

 機密情報等を含まない、外部に出してもいい文章やソースコードであればレビュー、チェックの一つの手段として活用できそうだと考えました。

質問

回答

 この結果からメリット、デメリットをまとめました。

メリット
・レビュー観点を指定すれば細かくレビューしてくれる

デメリット
・テキストのみ対応のため、仕様書、設計書、マニュアル等の画像やオブジェクト等を使用する資料のレビューはできない

パターン③  ChatGPTに仕様を伝えてソースコードを作成してもらう

 業務で作成するプログラムの仕様をそのまま外部に出すことはできないため、ざっくりとした仕様でChatGPTにベースとなる部分を作成してもらうという活用方法を考えました。

質問:Python言語で以下の条件に合うソースコードを書いて
・入力した数字の二乗を計算する
・数値以外が入力されたときなどのエラーに対応している
・適切なコメントが残っている
・ソースコードが簡潔になっている

回答

この結果からメリット、デメリットをまとめました。

メリット
・指定した条件の通りに作成してくれる
・解説もあるのでソースコードを理解しやすい

デメリット
・業務で作成するような大規模で複雑な仕様は伝えることが難しいため、そのまま作成してもらうことは厳しそう
・機密情報の観点から、仕様をそのまま記載することは避けたほうが良いので、使用できる範囲を判断するのが難しい

3つのパターンのまとめ

 以上の結果から、業務の効率化やコスト削減を目的に、ChatGPTを活用できるケースもありそうだということがわかりました。


所感

 ChatGPTを調べ、使ってみていろいろなことを感じました。会話だけでなく、コーディングやレビューまでできるAIが今後生活の一部になっていくと考えると、とても便利な世の中になると思う一方で危機感も感じました。
また、ただの検索と違い、自分が知りたいことをChatGPTに回答してもらえるような文章にしないといけないため難しいですが、今後も業務での利用を模索しながら積極的に活用していこうと思います。
 今後自分が生き残るためには、もっとITスキルを高めて必要とされる人間にならないといけないと痛感しました。