【GPT-4o】ChatGPTで文章レビュー#2【プロンプト作成編】
ChatGPTを活用して、誰でも文章レビューがすぐに行えるプロンプトはどのようなものか検証を行いました。
本記事は【プロンプト作成編】と題し、プロンプトを作成するために使用した手法や、実際に使ったプロンプトを記載しています。
今回紹介するプロンプトは、他のタスクにも応用できると思いますので、是非最後までご覧ください。
この記事は続きの記事なので、前半の記事を読んでいない方はこちらからご覧ください。
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【プロフィール】板倉悠
学生時代に情報工学科に所属。
▶画像生成に関する機械学習を研究。
2023年スマートスケープ株式会社に新卒で入社。
▶現在は画像生成AIに関する検証や開発をメインに活動。
使用言語:Python
前回までの振り返り
前回は3つの検証のうち、検証①まで実行しました。
レビュー項目の具体化を行い、プロンプトのたたき台にしています。
今回は検証①を基にプロンプト作成し、ある程度品質が良くなるまで回答を得て、修正して…を繰り返し行います。
準備物について
今回使用した文章は、SMARTSCAPEの新HPに掲載する文章の原案の一部を使って検証を行いました。
(2025年の3月中に新HPにリニューアルする予定です!)
間違いが無い文章(Markdown)
# AI活用×製造業DX~AI活用で技術継承と生産性向上を実現し、未来を切り開く~
### 図面作成、検索などに奪われていた時間を品質向上、イノベーション創出に転換したい
高い技術力を基に自社開発の最新技術を駆使し、自動車パーツ、電子機器、医療機器など多様な分野で信頼される製品を生産しているB社様。
自社開発製品の生産において新図として専用部品が制作されると、下流工程において莫大な費用が発生します。
そのため、部品点数を削減することが製品コストを抑えるためには重要となります。
しかし、部門を跨いだ検索方法がないB社様では、流用可能な部品を探すことが難しく、新製品開発のコスト低減のために
「誰でも簡単に流用可能部品を発見できるようなシステムができないか」とご相談を頂きました。
また、「部品の共通化」と併せて「検索の効率化」を加速させ、事業部全体の最適化を図りたいと考えていらっしゃいました。
### 高精度なAIを活用し、「形状」から類似3Dモデル部品を検索
全ての部品が持っている「形状」という情報を活用するために、高精度AIによって3Dモデルを学習させ、形状を学習したAIが類似した形状の3Dモデルを瞬時に検索する、過去の類似実績を効率的に参照できる形状検索のシステムを開発させていただきました。
お客様と入念に事業部全体の最適化の取り組みについて協議したことで単なる設計者のためのツールではなく、基幹システムや各事業部の持つシステムと連携し、製造部門では過去トラブルの情報、調達部門は過去の見積もり情報など、各部門が必要な情報にアクセスするための全社的な検索ハブができあがりました。
### 高精度AI 3Dモデル検索を活用した製造DXで意識改革
B社様の実績としては、設計部門では「金型が必要な部品を共通化」することで年間4000万円のコスト減に加え、4人月の「設計工数の削減」などに繋がりました。
設計部門のみならず「調達部門」や「品質検査部門」、「製品サポート部門」の3部門では8人月の工数削減に繋がりました。
また、製造業の未来にとっても大きな影響を与えることが懸念されてる「技術伝承・多能工化」においても効果を発揮しました。
全社員が容易に最適な過去の実績を参照することができるようになったことで、経験が浅い新人でも類似品を参考にして、レベルの高い業務を早期習得することに成功しました。
これらの効果によって会社全体として「過去資産を活用しなくては」という意識改革が起こりました。
“高精度AIによって単純作業を削減し、付加価値を創出するための時間に置き換えていく”新しい製造業の形を実現しています。
間違いがある文章(Markdown)
# AI活用×製造業DX~AI活用で技術継承と生産性向上を実現し、未来を切り開く~
### 図面作成、検索などに奪われていた時間を品質向上、イノベーション創出に転換したい
高い技術力を基に、自社開発の最新技術を駆使し、自動車パーツ、電機器、医療機器など、多様な分野で信頼される製品を生産しているB社様。
自社開発製品の生産において新図として専用部品が制作されると、下流工程において莫大な費用が発生しないわけではありません。
そのため、部品点を削減することが、製品コストを抑えるためには重要となります。
しかし、部門を跨いだ検索方法がないB社様では、流用可能な部品を探すことが難しく、新製品開発のコスト低減のために「誰でも簡単に流用可能部品を発見できるようなシステムができないか」とご相談を頂きました。
また、「部品の共通化」と併せて「検索の効率化」を加速させ、事業部全体の最適化を図りたいと考えていらっしゃいました。
### 高精度なAIを活用し、「形状」から類似3Dモデル部品を検索
まず初めに、全ての部品が持っている「形状」」という情報を活用するために、高精度AIによって3Dモデルを学習させ、形状を学習したAIが類似した形状の3Dモデルを瞬時に検索する、過去の類似実績を効率的に参照できる形状検索のシステムを開発させていただきました。
または、お客様と入念に事業部全体の最適化の取り組みについて協議したことで単なる設計者のためのツールではなく、
基幹システムや、各事業部の持つシステムと、連携し、製造部門では、過去トラブルの情報、調達部門は過去の見積もり情報など、各部門が必要な情報に、アクセスするための、全社的な検索hハブができあがりました。
### 高精度AI 3Dモデル検索を活用した製造DXで意識改革
B社様の実績としては、設計部門では「金形が必要な部品を共通化」することで年間4000万円のコスト減に加わえ、4人月の「設計工数の削減」などに繋がりました。
また、設計部門のみならず「調達部門」や「品質検査部門」、
「製品サポート部門」の3部門では8人月の工数削減に繋がりました。
また、全社員が容易に最適な過去の実績を参照することができるようになったことで、製造業の未来にとっても大きな影響を与えることが懸念されてる「技術伝承・多能工化においても効果が出ており、経験が浅い新人でも類似品を参考にして、レッベルの高い業務を早期習得することに成功しました。
これらの効果によって会社全体として「過去資産を活用しなくては」という意識改革が起こり、“高精度Aiによって単純作業を削減し、付加価値を創出するため時間に置き換えていく”新しい製造業の形を実現しています。
間違いがある文章には
計19箇所の誤りを用意しました。
作成したプロンプト
#命令文
あなたは日本語の文章を校正する担当者です
以下の条件に基づいて文章のレビューを行ってください
条件に該当するものが無い場合は該当箇所はありませんと出力してください
# 条件
- 二重表現がある場所を指摘する
例:「まず最初に」や「違和感を感じる」など
- 二重否定がある場所を指摘する
例:「あなたの言っていることは、わからなくはない」の「わからなくは
ない」
例:「誰も反対しないわけではない」の「反対しないわけでもない」
- 。」で改行していない場所を指摘する
- ・。」以外で改行している場所を指摘する
- 字数が1文あたり60文字を超えている箇所を指摘する
- 、や。の位置が多い際に該当箇所を指摘する
- 、や。の位置が少ない際に該当箇所を指摘する
- 意味がわからない、伝わりにくい箇所を指摘する
- 接続詞の用法が誤っている箇所を指摘する
- 誤字脱字の場所を指摘する
- 全角になっている数値を指摘する
# 文章
<ここにレビュー対象の文章を入力する>
GPT-4oが出力した回答
以下の点が該当します:
# 二重表現
1. 「まず初めに」
- 「まず」と「初めに」は意味が重複しています。
# 二重否定
1. 「莫大な費用が発生しないわけではありません」
- 二重否定により意味が分かりにくくなっています。
# 。」で改行していない箇所
該当箇所なし
# 。」以外で改行している箇所
1. 「また、設計部門のみならず『調達部門』や『品質検査部門』、
『製品サポート部門』の3部門では8人月の工数削減に繋がりました。」
- ここで改行が発生していますが、段落の途中で不自然です。
# 1文あたり60文字を超えている箇所
1. 「高い技術力を基に、自社開発の最新技術を駆使し、自動車パーツ、電機器、医療機器など、多様な分野で信頼される製品を生産しているB社様。」(87文字)
2. 「基幹システムや、各事業部の持つシステムと、連携し、製造部門では、過去トラブルの情報、調達部門は過去の見積もり情報など、各部門が必要な情報に、アクセスするための、全社的な検索hハブができあがりました。」(115文字)
3. 「これらの効果によって会社全体として『過去資産を活用しなくては』という意識改革が起こり、“高精度Aiによって単純作業を削減し、付加価値を創出するため時間に置き換えていく”新しい製造業の形を実現しています。」(113文字)
# 、や。の位置が多い
1. 「基幹システムや、各事業部の持つシステムと、連携し、製造部門では、過去トラブルの情報、調達部門は過去の見積もり情報など、各部門が必要な情報に、アクセスするための、全社的な検索hハブができあがりました。」
- 不要な句読点が多い箇所があります。
# 、や。の位置が少ない
該当箇所なし
# 意味がわからない、伝わりにくい箇所
1. 「製造業の未来にとっても大きな影響を与えることが懸念されてる」
- 「懸念されている」という表現は「影響が悪いこと」を想起させるため、文意と矛盾しています。
# 接続詞の用法が誤っている箇所
1. 「または、お客様と入念に事業部全体の最適化の取り組みについて協議したことで」
- 「または」は選択を示す接続詞であり、文脈上不適切です。
# 誤字脱字
1. 「形状”」」
- 二重引用符の位置が誤っています。
2. 「検索hハブ」
- 「hハブ」は誤字。
3. 「レッベル」
- 正しくは「レベル」。
4. 「Ai」
- 「AI」とするのが一般的。
5. 「加わえ」
- 正しくは「加え」。
6. 「懸念されてる」
- 正しくは「懸念されている」。
# 全角になっている数値
1. 「4000万円」
- 「4」が全角。
2. 「8人月」
- 「8」が全角。
# 表記揺れ
1. 「AI」/「Ai」
- 「AI」に統一する必要があります。
正解数:13項目 / 19項目中
間違った指摘:3件
わかりにくいと思いますので、次の章に結果を詳しく記載します。
結果について
指摘できた項目
何度も修正しましたが、正確に文字数を数えさせることはできませんでした。
また、今回はAPIを使用しての検証ではなく、結果の出力に文字数の制限があるため、該当箇所を全て出力することはできていません。
逆に言ってしまえば、それ以外の項目は正しく指摘できているので、最初の検証としては満足いくクオリティだと思っています。
プロンプト作成で気を付けたこと
1. Markdown形式で記述を行う
ChatGPTがプロンプトの理解をしやすい記述方法はMarkdownとされて
おり、今回は命令文、条件、レビュー対象の文章の3つの構造でタスクの指示を出しています。
2. 例の記述を行う
指摘事項の例を記述し、回答の精度向上を試みたところ、効果が発揮されました。
今回では二重表現と二重否定の例を記述し、どのような言葉が該当するのかAIが理解しやすいようにしました。
上記のように、
いくつかの例示で回答の精度を高める簡易的な学習方法
を Few-shot Learning といいます。
3. 必要があれば具体化を行う
日本語の文法で使う専門用語(句読点や括弧など)はGPT-4oでは学習していないことが検証の中でわかりました。
文字で「句読点」や「括弧」と表現するよりも、
"。" や "」" で表現したほうがAIが理解しやすい表現のようです。
プロンプトのテンプレート
# 命令
あなたはプロの<職業をここに入力する>です
#条件に沿って<タスクをここに入力する>
# 条件
- <ここに条件を入力する>
- <ここに条件を入力する>
例:<例があればここに入力する>
記事のおまけにテンプレートに沿った形式で、別タスクを行わせた例を記載しました。
これだけでは使い方がわかりにくいという方は参考にしてみてください。
最後に
文章生成のタスクにおいて、ここまで丁寧にプロンプトを作成したのは初めてだったので、作業時間がかなりかかりました。
プロンプトの作成自体は30分で済み、そこまで時間はかかっていませんが、【要件定義編】で行った作業が一番時間がかかっています(約4日ほど)。
次の目標はシステム化!
このテンプレートで他のレビュー観点もこなせそうな算段は付いているので、実施のきっかけにもなった社内の作業コスト軽減を達成してみたいです。
引き続き、検証を行っていこうと思います…!
おまけ
今回サムネイル画像にはAzure Chatで作った画像を用いて作成しています。
そのプロンプトと画像は以下の通りです。
# 命令
あなたはプロのイラストレーターです。
以下の#条件に沿って画像の生成を行ってください。
# 条件
- 被写体はパソコンでブログを作成している男性であること
- 全体をはっきりと映すこと
- 落ち着きがある雰囲気に仕上げること
- 知的な印象を与えること
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
今後も技術ブログを作成していくので、フォローしていただけると幸いです。
次は今回の検証の過程で学んだ「プロンプトについての知見」をまとめていけたらと思います。
是非、お楽しみに!
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